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試験用変圧器について




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試験用変圧器とは?


電気設備・機材などの耐電圧試験、絶縁耐力又は部分放電試験などのために、交流高電圧を印加する場合に試験用変圧器が用いられます。

試験用変圧器は電力用変圧器と異なり、次のような特徴があります。


  1. 二次側は高電圧のため一般的に変圧比が大きく、電流が小さいため、二次巻線の巻線方法及び絶縁構造に特殊な考慮を払わなければならない。


  2. 特殊な長時間試験を除き、一般的には短時間で使用されることが多いため、電力用変圧器に比べて温度上昇の点では、あまり考慮を必要としない。

  3. 二次巻線が高電圧のため絶縁強度が高いことを要求されるから、ほとんど油入型である。

上記の理由から、試験用変圧器は一般に、
  • 単相
  • 短時間定格(10分~1時間)
  • 二次側は高電圧一端接地
  • 油入型

としたものが多く採用されています。 試験用変圧器は、電圧を可変とするため誘導電圧調整器又はボルトスライダーと組み合わせて用いられます。また、比較的大きな電流が必要なときを除いて、100kV程度までは1kV当たり0.1~0.2kVAくらいが妥当とされています。


試験用変圧器の構造


試験用変圧器は一般的に二次巻線の一端は接地して使用されます。巻線もこれに応じて、各部の電位傾度がなるべく均等になるよう、また電圧変動率を少なくし、固有共振周波数を高くする目的で、巻線の漏れリアクタンスができるだけ小さくなるよう巻線に工夫がされています。

試験用変圧器の二次巻線構造の一例を下図に示します。図示のように大地に対して高圧端子から順次絶縁を低減した段絶縁方式とされています。この結果、両端絶縁のものに比べて寸法および重量が低減できると共に、一次二次巻線の結合度もよくなります。

図 多重同心円筒巻線



参考文献:「変圧器の設計工作法」,電気書院,


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